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ダイエットを妨げるストレスの影響
適度な運動をしているのに、カロリーコントロールをしているのに、なかなか痩せられないそんな人は、心身に大きなストレスがかかっているのかもしれません。ストレスをため込むと自律神経が乱れ、身体の基礎代謝が落ちて摂取したカロリーが消費されにくくなり、痩せにくく太りやすくなってしまうのです。
このような『ストレス太り』しやすいタイプと、そのストレスを解消する方法についてご紹介します。
1.ストレスが代謝に影響を与えるメカニズム
女性ホルモンや自律神経は、代謝機能と密接な関わりがあり、ストレスを受けると、ホルモンバランスや神経に影響をもたらし、代謝を促す機能が低下してしまいます。バランスが崩れてしまうと、摂取したカロリーを栄養素に変えたり、エネルギーに変えて消費する機能が低下し、消費されなかったカロリーは脂肪として蓄積されていきます。結果、痩せにくく脂肪をためやすくなるのです。
男性よりも女性は身体が脂肪を蓄えやすくつくられているうえ、外的なストレスの影響を受けやすく、ストレス太りする女性が多いのです。
2.ダイエットの天敵!ストレス太りに陥りやすい人は
さほど運動不足でもなく、食べ過ぎてもいないのに太ってしまう、『ストレス太り』。ストレスがたまりやすく、それにより太りやすいタイプの人は以下に該当します。
- 仕事が多忙で、常に時間に追われている気がする
- どちらかといえば完璧主義である
- イライラすると暴飲暴食や、甘いもので気晴らししようとする、そのあと罪悪感が強い
- 友達と話したり、楽しいと思える趣味がない
このほかにも、人間関係で悩みやすい人なども常にストレスを抱えている傾向があります。
3.ストレスに関係する脳内物質でダイエット
脳がストレスを感じると、ストレスホルモンといわれているノルアドレナリンや、コルチゾールといった、神経を興奮させる神経伝達物質が分泌されます。これらは、意欲ややる気を高める一方で、恐れや緊張、不安といった精神状態を作り出します。ノルアドレナリンは、脳や体を興奮、覚醒させる一方で、対人関係などから受けるストレスに対応しようとするため、不安や緊張感を生み出すのです。
これと逆の作用を持つホルモンとして、「セロトニン」や「オキシトシン」があげられます。これらは、幸せホルモンともいわれていて、このホルモンが優位になることで不安やイライラが解消されたり、幸福を感じるようになります。オキシトシンは、恋人同士や親子、友人など人と信頼関係を持ってスキンシップをとったり、可愛い赤ちゃんや動物を見たりすることで活発になります。
- 誰かのためにプレゼントを選ぶ
- 夫や恋人の記念日に料理を作ってあげたり、マッサージしてあげる
- ペットや子どもを可愛がる
など、「いとおしい」「喜ばせたい」といった思いやる心が、オキシトシンの分泌を促し、抗ストレス作用となります。セロトニンは、脳幹から分泌され、不足するとうつ病や、不眠症、生理痛や頭痛などを生み、自律神経の調子が乱れます。
セロトニンの分泌を促すには、
- 楽しい、うれしいことを素直に喜び、「うれしい」と口に出すようにする
- カロリーなどを気にしすぎず、おいしいものを食べ、映画などを見て感動する
- 一日30分ほどは日光を浴びる。
- サイクリングやウォーキング、ラジオ体操などのリズム運動で身体を動かす
日光を浴びて規則正しい生活をすることが、もっとも効果があるとされています。オキシトシンは、前頭前野と偏桃体で受容されますが、そこは両方とも、心に関連するする脳の場所です。つまり、心の状態から分泌量が増減するのです。オキシトシンの受容体は、セロトニンの神経細胞にあるので、オキシトシンとセロトニンは相互作用しあい、オキシトシンが分泌されるほどセロトニン神経も活発になります。
ストレス解消や、ストレスをためる考え方や生活をやめて、ストレスホルモンをおさえたいものです。そして幸せホルモンが優位になる生活を心がけ、代謝を上げてストレス太りを予防しましょう。